この記事は、4歳のサザナミインコ、ミルキーの闘病のまとめ。
以前ココに書いて公開していたが、メインブログに移してしまった。
サザナミインコの闘病や看護についての記録を、一記事にまとめて自分でも読み返したいと思い、ここにもう一度きちんと残しておこうと思う。
異変を感じてから病院に行くまで
かいぬし側が感じたこと
以前一緒に暮らしてたグーちゃん(セキセイインコ♂)、ベリーちゃん(マメルリハ♂)の体重は測っていてノートに書いていたが、アーちゃんミーちゃんの体重は測ってなかった。
キッチン用のデジタルスケールが壊れてから、買っていなかったから。
毎日体重を測ってたら、卵をもったとき、すぐに分かったと思う。
当時の日記、手帳に書いてた一言メモにはこう書いてある。
ここは、おそらく発情期に入って、おなかが膨らんで見えたのかもしれない。
この時点では卵はなかっただろう。
「元気だから大丈夫」と心配性の自分に言い聞かせているようだ。
この判断がまず間違い。
続いて、こう記してある。
この辺は、どこで卵ができたかわからないが、体調が安定してたから、まだできたばかりで「卵詰まり」というより、「卵をお腹に持った」状態だったと思う。
フンをするときに、いつもはおしりをくの字に曲げるのに、それをせずそのまま後ろにフンを飛ばしてた。
このことから、おなかに卵があって、おしりが曲げられないんだと考えられた。
卵があるかどうかを自分で確かめるため、ミーちゃんを保定し、おなかを触ってみた。
普段触る練習をしてなかったため、おっかなびっくり。
触ってみたけど、全然わからない。
ぷよぷよな気がして「卵じゃないかも」と思った。
自力での出産を望んでいたが、小鳥専門病院に行くことを決めた。
インコ側
ミーちゃんは食欲旺盛で、ペレットもシードも野菜も果物も何でも食べた。
でもペレットよりもシードが好きで、自分のを食べ終わるとアーちゃんのお家に侵入して盗み食いしてた。
ペレットは特にラウディブッシュのニブルズとベタファームのクランブルが好きで、よく食べた。
果物はリンゴ、ブドウ、ブルーベリーが大好き。
食欲や活動には変わりがないように見えた。
「ふぃーふぃー」という、発情のものと思われる鳴き声を出していた。
最初の卵を持った時よりも弱かったが、イライラする様子も見られた。
そして、おしりの膨らみとフンの仕方の変化。
ここまで来る前に気づける場面は多かった。
そこで病院に行けば、せめて相談の電話でもしていれば・・・苦しませなかったかもしれない。
体調を崩す前に病院に行く選択をしたのは良かったかもしれない
病院に行くまでの看護
お家(HOEI 35手乗り)から、キャリー(ハートフルキャリー)にし、保温効果を高め、体力の温存に努めた。
卵詰まりと想定して、ビタミン剤(カルビタバード)をあげた。おいしかったようだ。
不安が伝染しないよう、明るく接した。
4月23日:初めての病院
診察、レントゲン
ありがたいことに、診てくれた女医さんは、サザナミインコを飼っているから、いろんな説明をしてくれた。
事前問診票+気づいたことなどをまとめたメモ(A4一枚にびっちり書いた)をよく読んでくれた。
おそらく卵だと思うよ。
(触診して)・・・うん、ここにある。
ちょっとレントゲン撮ってみましょうか。
サザナミインコの平均体重45~55g。今のミーちゃん60g。
触診とレントゲンの結果、卵だとわかった。
形もいいし、殻も、向きも大丈夫そう。
それを聞いて安心してしまったが・・・。
まだ、無事に産まれないと安心できない。
明日の朝までに産まれなかったら、また明日も病院に行かなければいけない。
初診料 :2,500円
画像診断:2,530円
その日の看護
普段と同じように接していいということで、キャリーから普段のお家に戻す。
保温はキャリーの時と同じように、30℃くらいを目安に。暑がってたら下げる。
ゴハンをたくさん食べさせてください。と言われたのでミーちゃんの好きなものをたくさん入れる。
ミーちゃん大喜びで、ずっと食べてた。
4月24日:卵を出す処置
産んでなかったので、病院に行った。
サザナミだからねぇ・・・
でも出した方がいいと思う。
様子見は危険だと思ったので、押し出してもらうことにした。
すぐに産まれると思ってた。
ミーちゃんは、全然いきまなかった。
先生も戸惑っていた。
そのうち、ミーちゃんがプスップスッと言い出した。
先生は「そうそう!がんばれー」と言いながら、おなかをマッサージしてた。
この「ぷすぷす」が、インコのいきんでる状態なのか。
卵管の入り口に邪魔するものがあって、卵が出てこれないと言われた。
麻酔をかけて出すことになった。
「この子、危ないかもしれない」と言われて、頭が真っ白になった。
それでも、このままじゃ・・・処置をお願いした。
ミーちゃんは処置室に連れて行かれ、私は一人診察室に残った。
泣きながら待った。ごめんなさいごめんさない。お願い。ミーちゃんを助けて。
どのくらい時間が経っただろう。15分くらいか。
ミーちゃんが戻ってきた。すごく怒っていたが、しょぼんと少し疲れていた。
中身は出しましたが、殻が残ってます。
腹圧は下がったから・・・ちょっと休憩させます。
待合室でお待ちください。
異変があったらすぐ声をかけてください。
待合室でミーちゃんと待った。ミーちゃんは乱れてしまった羽根のお手入れをしてた。
先生はちょこちょこ様子を見に来てくれた。そしてほっとして、別の子の診察をしていた。
その後、先生は手を尽くしてくれたし、ミーちゃんはとても頑張った。
でも卵の殻は出てこなかった。
もう手術しか、方法がないと。
ここでは、手術、できない。
先生はいろんなところに電話をかけてくれた。
どこも、受け入れてくれない・・・。
負けてなるものか。ミーちゃんが頑張ってるんだ。
「うちで私が看病します。治します。先生、私にできること教えてください。」
再診料 :2,000円
一般処置:5,000円
画像診断:2,530円
内服薬 :1,000円
家に連れて帰ってからの様子と看護
部屋に入ると、帰ってきたのが分かったのかミーちゃんが叫ぶ。
アーちゃん(マメルリハ♀)の声を聞いて、キャリーから飛び立つ。
普段と変わらず元気に見えた。
嫌な場所から帰ってきて、テンションが上がってるのかもしれない。
キャリーに移して、保温して、好きなものをたくさんあげた。
食欲もある。
おしりから粘性のある透明な液がダラダラ流れてきて、おなかの羽根まで濡れていた。
卵の”しろみ”のように見える。
気持ち悪いのかずっと羽繕いを繰り返している。
麻酔とか、卵押し出したりしたときに、おしりの穴が緩んでしまったのだろうか?
排泄がうまくできなくなってしまったのだろうか。
ずっとケキョケキョと鳴いている。
発情の声?卵巣に異常がある?わからない・・・
全然フンが出てない・・・食べてるのに。
17:39 フンが出た。尿酸もある。
18:39 薬を飲ませた。
グリーンピース、コーン、リンゴを食べた。
4月25日:処置後の診察
ミーちゃんは変わらず元気だったが、急変がとても怖かった。
仕事から戻り、病院へ向かった。
いいことなんだけど、こんなに元気なの?
もっとグッタリしてると思った。
手術も検討しましょうね。
手術しなくても自然に出てくる場合もある。
7年くらいおなかに残ってても元気な子もいる。
そんな話を聞かせてもらった。
発情抑制は、究極はホルモン剤治療。あとゴハンを減らす。
「気を逸らす」というのを念頭に、トレーニングもやってみるといい。
行動学をもとに、トレーニングで楽しく発情抑制か。理想的かもしれない。
診察の間隔を徐々に開けて、しばらくは様子見と、手術に備えて体力づくりをしましょう。
がんばって看護だ!
再診料:2,000円
4月30日:様子を見る
心配だったので、ゴールデンウイーク前にもう一度診察してもらった。
体重は53gまで下がり、ちょうどいい体重になっていた。
腹圧も下がってるし、大丈夫そうね。
どんなふうに殻が残ってるのか聞くと、レントゲンを見せてくれた。
わぁ、結構丸々残ってる・・・。
この日は、新しく肝臓を助けるお薬をもらった。
ミーちゃんは、ネコさんの鳴き声を聞いて、友達と思ったらしく、大声で呼び鳴きしてしまった。
再診料:2,000円
内服薬:1,000円
5月7日:おなかに残っていた卵の殻が出た
休日出勤から帰ってきた13時半くらい。
ミーちゃんのケージの下に変なものが落ちてた。
変形した卵の殻と、卵の”きみ”みたいのが周りにポタポタ落ちていた。
ミーちゃんはいつもと変わらず元気だった。
午後の診察時間を待って、病院に電話した。
出ましたか!?それならもう大丈夫だと思います。
レントゲンで確認することもできますが、丸ごと出てきたのなら心配ないかと。
安心のために、X線を浴びせるのも嫌なので、このまま今回の治療は終わりになった。
異変を感じてから、約1か月。長かった・・・。
まとめ
鳥類の産卵はどんなものか知る必要がある
猛禽類とキーウィ以外の鳥類は、左側の卵管と卵巣が発達していて、右側は退化している。
参考文献:コンパニオンバードの病気百科
鳥のお医者さんのためになるつぶやき集
卵詰まりの判断
上のイラストを理解すると、24時間つまり1日以上卵がおなかにあるというのは異常だとわかる。
女の子の飼い主は、体重の変化やおなかの膨らみなど、常に観察しないといけない。
卵があるのが分かって、1日産まなかったら元気でも何でも、鳥専門医に電話で相談した方がいい。
直接連れて行かなくとも、とりあえず状況だけでもできるだけ詳しく説明して、連れて行くまでにどうしたらいいかなど、アドバイスをもらうといいと思う。
飼い主が考えなきゃいけないこと
毎日の体重測定(できるだけ同じ時間に)することは、あらゆる病気の早期発見にもなり、今回の卵詰まりにも大いに役立つと思う。
発情抑制の失敗、これはホントに恐ろしい。
そして、ここでは完治としているが、この卵詰まりは「のちのちまで体に響く」と実感することになる。
本来(健康な状態であれば)、すんなり出てくる卵がおなかにずっと残っているというのは、いろんな臓器を圧迫するし、フンや尿酸の排出の妨げにもなっていることを理解しなければ・・・。
発情抑制に失敗した上に、「自力で産ませたい」など言っていたせいで、結局ミーちゃんを苦しませた。
そして、次の卵を持たせないようにと卵を持った状態で発情抑制するのは危険。
無事に産卵させることを考えたほうがいい。
もしかして、私のやった発情抑制は、かなり危険だったのかもしれない。
自分のインコのプロになるには、時には専門家の意見も必要だし、他の飼い主さんの体験談からも学んでいかなければならない。
メインブログに移した記事
細切れになっているけど、内容は同じ。